コラム2023.10.10

阪神タイガースWomen vs 大阪体育大学

阪神タイガースWomen10-5大阪体育大学(延長8回タイブレーク)

初優勝を狙う阪神が大体大の脅威の粘りを延長タイブレークで振り切った。

序盤はマドンナジャパン(侍ジャパン女子代表)の主力打者・三浦伊織が打線の牽引役となり阪神優位で進む。

今大会好調ながら「第1打席の出塁」がここまでできず課題だったが、初回にいきなり左中間を破る二塁打を放った。このチャンスは快進撃の立役者の1人となっている大体大のエース・左川楓が凌いで得点は入らなかったが、2回以降に阪神打線が打ち崩す。

2回、2死から田中亜里沙の安打と死球でチャンスを作ると、浅野桜子のセンター前安打で田中が生還し先制。1番にかえると三浦がライトへ三塁打を放って2点を追加した。

阪神は3回に田中のタイムリーで1点を追加すると、4回には代わった柏崎咲和から三浦が安打、二盗、三盗でチャンスを作ると、同じくマドンナジャパンでプレーする中江映利加の右中間への二塁打で追加点を挙げた。

しかし、中盤以降は大体大打線が阪神投手陣を攻め立てる。阪神先発の植村美奈子から4回に山本一花と木村睦実の連打で1点を返すと、6回に先頭から連打と犠打でチャンスを作ると、マドンナジャパンの坂東瑞紀から山本と木村のタイムリー、後藤優華の内野ゴロの間に得点を奪い1点差に。
さらに7回もマドンナジャパンの水流麻夏から主将・太田栞、畑中ゆりあ、白石美優の3連打で同点に追いついた。

だが、ここで大体大打線の前に立ちはだかったのが、国内女子最速の129キロのストレートを持つ森若菜だ。満塁で押し出しの瞬間に敗退が決まる厳しい場面だったが、木村を浅いセンターフライ、松永をショートゴロに打ち取りサヨナラを許さなかった。

すると、無死一、二塁から始まるタイブレークで阪神打線が正代絢子の勝ち越し打などで8回表に5点を奪取。その裏、森がこの日最速127キロのストレートで押していき圧巻の三者連続三振を奪って試合終了。涙で駆け寄るチームメイトに森ももらい泣きし喜びを分かち合った。

大体大は、0対5から同点に追いついたが、あと一歩及ばず。それでも主将・太田が「胸を張っていい戦いだったと思います」と振り返ったように、クラブチームから2度のサヨナラ勝ちを果たすなどの快進撃で堂々の3位となった。