神戸弘陵学園高等学校7-0読売ジャイアンツ
阪神、エイジェックなど強豪を次々と倒してきた神戸弘陵の勢いが、地力に勝る読売ジャイアンツを飲み込み、悲願の初優勝。2015年の京都外語大西以来となる高校生チーム史上3校目の快挙を達成した。
「あれが痛かったです」とジャイアンツ・宮本和知監督が悔しそうに振り返ったように、初回から勝敗を大きく左右するプレーが生まれた。ジャイアンツ先頭の上條優奈の二塁打と田中美羽の犠打で1死三塁のチャンスを作ったが、神戸弘陵の捕手・田垣朔來羽が上條の大きなリードを見逃さず。上條は戻りきれずタッチアウト。神戸弘陵の石原康司監督は「初回の0点が大きかったです」と勝因の1つに挙げた。
初回のピンチを脱すると、先発の左腕・伊藤まことは2回以降に走者こそ出しながらも相手に的を絞らせない投球を続けスコアボードにゼロを並べていく。一方、ジャイアンツも女子W杯ベストナインの清水美佑が5回3安打無失点に抑え、貫禄を見せる。
試合の流れが変わったのは6回だ。宮本監督は「清水も小野寺も昨日完封していたので、（2人の間に）投げていない吉安清を挟んでという狙いでした」と振り返るが、田垣の安打と失策でピンチを招く。ここで、阪神戦で見事なサヨナラスクイズを決めた堀みずほがこの日も華麗に初球でスクイズを決めて先制に成功した。
さらに7回には、山﨑千尋と中川爽の連打でチャンスを作ると、相手のバントシフトを逆手に取って西上天菜がバスター。センター前に打球が弾むと、代走の津田美波が俊足を飛ばしてタッチをかいくぐり生還。貴重な追加点を挙げる。
ここからは一気に神戸弘陵の流れに乗り、ジャイアンツの守備のミスやスクイズ、田垣らのタイムリーでこの回一挙6点を奪いダメ押し。
そして、7回裏は伊藤まことが簡単に三者凡退で打ち取り試合終了。4安打完封の伊藤を中心に歓喜の輪ができ、選手たちは喜びを爆発させた。
春夏の高校の全国大会に続き、各カテゴリーの中で日本一を争うこの大会を制覇。数々の栄冠を手にしてきた神戸弘陵にとっても、ひときわ嬉しい栄冠となった。
